shin爺のぽかぽか日記

年金生活のおじいちゃんです。まだまだ元気?!車中泊・温泉大好き!

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コロナ禍に思うこと・・・

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2019年末に中国・武漢から全世界へと広がった新型コロナウイルス。 2021年3月になった今も収束していません。それどころか、今ではウィルスの変異株が出現して、日本を含めてあちこちこの国で感染者が出ています。日本では、神戸で感染が目立っているのはちょっと恐怖を感じます (>_<)
当初は外国での出来事・・・と他人事だった日本も、2月には豪華客船のダイヤモンド・プリンセス号の到着により、乗客が感染していたことで騒然としたことは記憶に新しいですね。 日本列島での感染が急速に広がることとなり、日本中が感染の恐怖に包まれるようになりました。 東京オリンピックパラリンピックは、1年延期の決定に始まり今ではついに「海外からの観客無しで行おう」という方向へと話が進んでいます。また、いよいよ日本でも医療従事者からワクチン接種が始まりました。にわかに自らが接種することへの現実味が出てきました。
このコロナ騒ぎが起きてから、感染症関連の本が多く売れているようです。(私は高嶋哲夫の「首都感染」を読みました。)中でも、「ペスト」(アルベール・カミュ)は売り切れ状態が目立つと言います。何故か??? 

カミュ「ペスト」.jpgpest11.jpg

中世ヨーロッパで人口の3割以上が死亡したペストを不条理が人間を襲う代表例としてとらえ、自らが育った北アフリカのフランス領(アルジェリア)を舞台にして書いた小説なのです。この本は学生時代に読んだ覚えがありますが、今回改めて読むことにしました。<訳者の表現がいまいちで、ちょっと読みづらいですが・・・>

実は、この本から過去の教訓として今一度現在の状況を冷静に見つめようとする人が多くいるのです。 pest02.jpg
ペストは歴史上、無数の頻発のほかに3回の大流行が起こりました。中でも1347年から1352年にかけての史上最悪のペストは「黒死病」として知られているのです。カミュは1947年にこの大作を発表しました。第2次大戦終了間もないころです。ペストに襲われ、外部と全く遮断された一都市の中で悪疫と戦う市民たちの記録という体裁をとったこの物語では、ペストはあらゆる種類の人生の悪の象徴として感じ取れます。死や病や苦痛など人生の根本的な不条理をペストに置き換えることができ、人間内部の悪徳や弱さ、貧困、戦争、全体主義などの政治悪の象徴をペストに見出すこともできるような形で描いたと言えるでしょう。 カフカの「変身」が個人に起きた不条理であれば、このカミュの「ペスト」は人間社会(集団)に起きた不条理と言えます。 今、まさにペスト禍で人間が見せた悪徳や弱さ、戦争や全体主義下で見せた「村八分」「自警団」的な言動、排他的言動に加えて他人の命を奪いかねない犯罪ともいえる言動が多く見られているのです。新型コロナウイルスの感染拡大とともに、差別や攻撃性が顕在化した事件が増えています。
なぜ、行き過ぎた攻撃、無関係の人々に対する差別が蔓延してしまうのでしょうか。
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ある大学教授(災害・地域精神医学)によると、これらは「魔女狩り」と全く同じ心理反応なのだといいます。 「中世の魔女狩りユダヤ人の虐殺は、ペストの流行が一因。集団全体に蔓延した不安が差別や暴力に形を変え、悲劇を生む例は数多くあります。菌が発見される前の時代のこととはいえ、心理的な反応は現在の“コロナ差別”と同じです。社会全体が不安になると“不安”を“恐怖”に変えようとする集団心理が働くことが原因です」

テレビでコロナ感染者数が報道されればされるほど、誰でも恐怖に怯えます。だからと言って、他人を排除する、誹謗中傷する、ましてや犯罪と言える言動まで・・・こんなことが許されるのでしょうか???<まさに不条理です> 14世紀以降ヨーロッパで大流行したペストは「黒死病」と呼ばれ、ヨーロッパの全人口の30~60%が死亡したとされています。そんな社会不安のなかで、攻撃の対象となったのが「魔女」やユダヤ人です。対処不能感染症に対して、人々は超自然的な力が原因だと考え、背教者とみなしたものを標的にしました。また、ユダヤ教徒たちの死者が比較的少なかったことから、「ユダヤ教徒が井戸に毒を投げ込んだ」などというデマも広がりました。

翻ってコロナ禍のこの1年余りを見てみると、「えっ! うそ! 何で???」と思えるようなことが沢山ありました。
SNS上の書き込みが原因なのか、トイレットペーパーやティッシュが店頭から消える(オイルショックの同じような現象・・・)
②紙類にとどまらず、マスク・消毒液の買い占めによりそれらが店頭から消え、そしてネット上での異常なほどの値段での転売
③コロナに感染した者が飲食店などでわざと人に感染させるような異常な言動をとる
④「感染者叩き」や「自粛違反者叩き」。非常事態宣言中に旅行をしたり故郷へ帰省した家族への罵声、嫌がらせの電話や貼り紙投げ入れ、石を投げつける、異常な「コロナ自警団」「コロナ八分」
⑤医療従事者やその家族への嫌がらせ、嫌厭態度

今、コロナ禍で(隣人に、友人に、親族に「うつされるかも知れない」「うつしてしまうかも知れない」)という心理が私も含めて皆さんの心にあることでしょう。この恐怖と不安は、対応を誤れば人間関係をも変えてしまうのです。 人間の歴史は、感染症との闘いの歴史でもあります。家畜を飼い始めて以来多くの感染症が発生したとも言われていて、家畜がくれた「死の贈り物」と表現されることもあります。 ペスト、コレラ、黄熱病、天然痘、数々のインフルエンザ(スペイン風邪SARS新型インフルエンザ、MERS)、そして今回の新型コロナウィルス。その他(HIVマラリア結核、エボラ、狂犬病、梅毒、破傷風・・・)
スペイン風邪01.jpgマラリア01.jpgコレラ01.gifエボラ03.png天然痘.jpg黄熱病.png
さて、今まさにパンデミック禍にあります。どうしようもない恐怖と不安の中で、ともすれば不安定になりがちです。しかし、いかに自分が冷静さを保ちながら行動していけるかが問われているのではないでしょうか。 今回のブログは、だらだらと言葉を並べる形となってしまいましたが、カミュの「ペスト」をじっくり読みながら、今求められているものが何かを考えたいと思います。