あれからもう29年になるのですね。
私達家族は、今のマンションに移り住んで7年目になっていました。
震災前夜、近くに住む友人を家に招いて夕食を共にしていました。奇しくも、「神戸は、気候は温暖で、街はきれいで、地震もないから本当に良い街だ!」と話していたのです。ところが、翌日の天変地異!!!
まさしく、生まれて初めての経験でした。
早朝に突然下からドンッ!ドンッ!という突き上げるような衝撃で飛び起きたのです!
続いて横に大きな揺れもあったような気もします。何が起こったのか全く分かりませんでした。身体は震え、身動きができませんでした。
何、 これ??
揺れが収まり家族の安全が確認できた後、テレビをつけると地震のニュースが流れていました。しばらくして、長田の辺りで火災が発生しているニュースが流れ、上空から鷹取~長田辺りからモクモクとした煙や炎が上っている映像を目にして、信じられない思いでした。西神地区からも山越しに煙が確認できるほどでした。
幸い我が家は大きな被害を受けずに済んだのですが、中心部は大変だろうということは想像に難くありませんでした。当時勤務していた中学校の関係者と連絡しようと思っても、通信網が混乱していたのでしょうか、電話が上手く通じなかったことを思い出します。長田区に住む教え子の安否を確認するために、バイクであちこち走りもしました。またポリタンクに水を入れて、知人・友人宅に届けたりもしました。被災の激しかった鷹取地区の中学校(鷹取中学校)で、可能な限りボランティア活動をつづけました。被災した知人家族を家に迎えてお風呂・食事を提供したりもしました。
このように、書いていると限りなくいろんなことが思い出されます。
あれから29年・・・も経つんですね。今では神戸は見事に復旧・復興したと思いますが、人々の心の中には未だに癒されぬ傷が残っていると思います。
さて1月17日
仕事が終わってから三宮の東遊園地で行われている「1.17のつどい」に参加しました。17:00ちょっと前に到着。
ここを入って右手の奥に1.17希望の灯りがともされています。
この反対側(右手)に「瞑想空間」があり、阪神淡路大震災で犠牲になった方々の銘板があるのです。多くの遺族の方が訪れているでしょうし、物見遊山の軽い気持ちで写真撮影することが決してないように「ご遺族へのご配慮を・・・」と書かれているのです。
さすがに気持ちが引き締まります。スロープで地下へ向かいます。
2024.01.17 1.17のつどい③ - YouTube
新聞テレビなどメディアの記者たちがたくさん取材に訪れていました。
阪神淡路大震災だけでなく、これまでの各地の震災や能登半島地震の犠牲者の方々のために心を込めて祈りを捧げました✞🙏。
その後上に出ると、たくさんの人が燈籠のロウソクに灯をともすお手伝いをしていました。私も「ともに」の「に」の文字の所で灯をともしました。
燈籠を並べたりロウソクを配ったりするなどの作業には、神港高校や神戸高校の生徒たちもボランティアとしてたくさん参加しているそうです。高校生らしい男の子からロウソクをもらいました。
2024.01.17 1.17のつどい① - YouTube
2024.01.17 1.17のつどい② - YouTube*1
能登半島地震の被災者への応援メッセージを書いている人。胸が詰まります*2
残った竹の燈籠でしょうか、たくさん積まれていました。ボランティアの人たちが切ったのでしょうね。この日の流れは、次のようになっていました。私は、黙祷をした後18:00頃に会場を後にしました。
5時ごろ 2回目希望の灯り分灯
竹灯籠・紙灯籠へ灯りを灯してもらいます
5時46分 黙祷
5時47分 ビーナスブリッジ会場で奏でるトランペットの演奏音を東遊園地で放送
5時50分 希望の灯り・水盤に献花
16時半ごろ 紙灯籠・竹灯籠 再点灯開始
17時46分 黙祷
20時 片付け開始
21時 終了
三ノ宮駅に迎う途中に市章山がくっきりと見え、1.17の文字も浮かび上がっていました。そして、マリーナ像。説明板には以下のようにあります。
阪神淡路大震災により、このマリーナ像は倒れ、その際時計が壊れました。震災の記憶を永遠にとどめるために、この時計は、その時(5:46)を示しています。
世界中で、火山の大噴火・大地震・広大な森の大火災・大干ばつ、などなど数えきれないほどの災害が繰り返し起きています。今や地球規模です。子供達や孫達の世の中はいったいどうなるのでしょうか。
斎藤幸平氏の著書『人新生の「資本論」』では、人間の活動の痕跡(温暖化、異常気象、干ばつ、大規模森林火災、世界的食料不足、等)が、地球の表面を覆い尽くした年代について述べていますが、さすがに地震は人の活動の痕跡とはほぼ無縁のものでしょう。
地球上のプレートのズレによるもので、これはどうしようもないことです。きっと今後も繰り返されることでしょう。地震の際に私たちは何ができるのでしょうか???
令和5年度ひょうご安全の日宣言の中にある、次の言葉が胸を打ちます。
かけがえのない地球も 私たちの命も一つしかない
私たちは省エネ・脱炭素の取り組みと 命を守る減災を日々進めていく
忘れない 伝える 活かす 備える 阪神・淡路大震災の教訓を
震災の教訓は すべての時代に通じる知恵だから